日本におけるeMoto専門サイトを立ち上げ、海外サイトとの提携から、いま注目の中国発のスタートアップ企業「Evoke Motorcycles」からコンタクトを受けて実現しました。アメリカのZERO Motorcycles、イタリアのEnergicaに続くeMotoメーカーになれるのか!?
Evoke Motorcyclesとは?

Evoke MotorcyclesはNathan Siy氏、Chris Riether氏、、Sebastian Chrobok氏(今回は取材に立ち会えず写真に写っていません)が3人で2016年に立ち上げたスタートアップ企業。
もともとは週末に友人や知人のスクーターやモーターサイクルをカスタムして遊んでいたらしいのですが、好評を得て、更にはインドネシア警察からまとまった数の受注が入り、本格的に企業としてやることになったそうです。

現在は約30名のスタッフで開発、研究、マーケティングなどを行っています。スタートアップでありながらもここまでの勢いがあるのはあのFOXCONN Technology Groupのサポートを受けているからです(iPhoneの生産など世界最大の電子機器受託生産者、シャープを買い取った鳴海精密工業のグループ子会社)。
FOXCONNの起業家プログラムに選ばれているEvoke Motocyclesは本社をFOXCONNの敷地内の建物に持ち、車両や部品の試作は全てFOXCONNの工場や提携先に委託でき、また生産も品筆管理から人員までをFOXCONNによって提供されます。
そうすることでEvoke Motorcyclesのメンバーは研究、開発、マーケティングに専念することができ、大抵のスタートアップの直面する生産での壁をすんなりと超えているのです。

私が取材したときは工場を移転したばかりでまだ体制が整っていませんでしたが、これが落ち着けば月産100台近くに伸びるとのこと。
世界における2輪の販売や生産からすれば月産100台はなんともない数字ですが、電動バイク業界で先を行くZERO Motorcyclesが年間販売1000台、Energicaで600台程度だとすると両者は射程に入ったということです。また両者がここまでにたどり着くのにかかった時間とリソースを考えると、起業後わずか2年でここまで進んだEvoke Motorcyclesの凄さが伝わるのではないでしょうか。
Evokeの見据えるeMotoの未来とは
ヨーロッパでの発売も開始され、勢いをつけているEvoke Motorcycles、どうして電動なのか、また今後の展望を聞いてみました。

著:なぜ電動バイクというジャンルで起業をすることにしたのですか?
Siy氏:私は中国に来る前にカナダに住んでいました。そこで車のチューニングショップを経営していたのですが規制などで難しくなりバイクに移行。その時に車の顧客にもバイクを勧めたり、またバイクに興味のある人に車両を貸してあげたりとしましたが10人中9人が操作に不安を持ち、それ以上バイクに乗ることがありませんでした。そうした経験からクラッチとギアの操作がなく、またブレーキも自転車と同じハンドルに付いている(付けられる)電動バイクならばより多くの人たちにバイクに乗る楽しみを与えられると思いました。
Riether氏:私もライダーではありませんでした。このプロジェクトに加わり、実際にバイクに乗るようになってその楽しみを覚え、電動バイクの未来に大きな可能性を感じました。Siyのいう通り、電動となることで操作もメンテナンスも簡素化し、また環境を汚さないことから、電動バイクは多くの人に受け入れられると思います。
著:今後の目標や活動など現在考えていることを教えていただけますか?
Siy氏:これはまだ企業秘密ですが(と言って、次期クルーザーモデルの詳細を見せてくれる)、、、、、でもこれは11月のミラノで発表だからまだ公表しちゃだめだよ!
著:了解です。でもとりあえず私の分を1台、予約お願いします
Siy氏:お、気に入ってくれた?すでに何台か予約リストに入ってるから君も加えておくよ笑
Riether氏:技術面ではオンボードのコンピューターを2G回線で繋いで遠隔で車両の状態確認やソフトウェアのアップデートを出来るようにします。また万が一車両が倒れた時にオーナーもしくはその家族などに伝える緊急アラート機能や、ディスプレイ上に矢印だけの見やすいナビゲーション機能をつける予定です。
著:レース活動はしますか?
Siy氏:その予定はありません。実際にユーザーからのフィードバックやオンボードコンピューターからのデータを解析してユーザーにとって快適となるパフォーマンス特性やバッテリーのマネージメントをアップデートしていく方が製品の品質が上がります。
Riether氏:レシプロエンジンと違ってモーターのエネルギー効率はすでに90%を越えています。それを上げるために大金をつぎ込むよりも、Siyの言う通り、より多くの公道でのデータを集積してプログラムの改良とアップグレードを行う方がユーザー目線での魅力なります。私たちはいかにユーザー/ライダーにとって快適な楽しい車両を開発するかを目標に常に判断をしています。
Siy氏:あとは生産体制が整えて、ZERO Motorcyclesに並ぶ販売台数に持っていくことかな。
著:ありがとうございます。
まずは乗ってみて
Siy氏がインタビュー後半から急かしてきた試乗。乗ってみないと分からないからまずは乗って欲しいらしい。
と、いうことで実際にEvoke Motorcyclesの車両を体験することになりました。

まずは敷地内で練習走行。どうしても止まる時に左手でクラッチを握ろうとするのと両足がペダルを求めてパタパタしてしまいます笑
5分ぐらいぐるぐると練習して、中国の首都、北京の街へと乗り出すのでした
つづく、、
Evoke Motorcyclesについては公式ホームページへ