MotoE 海外ニュース

MotoE™レギュレーションおさらい

いよいよ今週末にスタートとなる電動バイクのシリーズレースMotoE™。
レギュレーションが公式サイトで発表されたのでご紹介します。

気になるところを抜粋しました

Energica公式Facebook Pageより

PDFファイルで74ページに及ぶレギューレーションですが、観戦する側として気になる部分を抜粋で紹介します。

1.9.2
車両は搭載の動力とライダーの筋肉、ダウンフォースでのみ進むことができる

カウルにソーラーパネル埋め込んで充電しながらはできなそうですね

1.10.1
ライダーはFIM MotoEライセンスを所持しなければならない

新たなライセンスのようですが、詳しい情報が見つかりません。

1.10.1.1
ライダーは18歳を越えていなければならない

これは知りませんでした。もっと若くても参戦できるのかと。

1.10.1.2
ライダーは50歳以下でなくてはならない

こちらも知りませんでした。ロッシもまだ10年はありますが。さすがに若者のスピードについていけないとの判断なのでしょうか。

1.15.5
予選通過には最速選手のタイムから107%以下で走行する必要がある。

2分のサーキットで(120秒 x 1.07 = 128.4)、トップから遅れて8.4秒以内に予選タイムを出さないといけないとのことですね。25周だとトップが最後尾に追いついてしまうのでそれを防ぐためでしょうか。

1.16.3
グリッドは公式予選となるE-Poleにて決められる。

E-Poleとはピットからコースに入り、ウォームアップの1周を行った後に予選アタックとなる1周を行い、次の周にはピットに戻るMotoE™独自の予選方式。1周でポールが決まるので各々の選手のアタックが立て続けに見れるのは楽しそうです。

1.18 8)
スタート前のグリッドでの待機時に充電は可能。ただし、MotoE™公式の充電器のみ使用可能。

電動だからこそ重要な項目ですね。いかにバッテリーがフレッシュで元気な状態でスタートできるかでレースが大きく変わります。これ雨天でも充電が可能となっているのですが、少し心配です。

1.18 20)
レースが中断した場合ライダーはすぐにピットレーンに戻らなければならない。
ピットレーンでの充電は可能。

こちらも同様ですが、再スタートでの場合のみとなります。

1.21 8)
ライダーはレース中にピットに入ることはできるが車両をピットボックスに入れることは禁止。またレース中(レースが始まってから)の充電も禁止。

レース途中で充電をすればバッテリーがまた元気になり、スピードが変わるためでしょうが、充電のために止まっていることを考えると、あえて充電を可能にしても面白いのでは?とも思います。ただ高速走行でバッテリーに負荷がかかっている状態でまた急速充電で負荷を与えるとバッテリーの劣化が進んでしまうのも確か。

1.24.2 b
ライダーと車両は同時(もしくは別々)にフィニッシュラインを通過することで完走となる。ライダーと車両で別々でフィニッシュラインを通過するときは遅れた方の先端(ライダーの身体もしくは車体)がフィニッシュラインを通過した時がフィニッシュタイムとなる。

どのような状況で別々に、しかも遅れてゴールをするのかを考えていたら色々と面白くなって。このルールは電動に限らないと思うのですが、覚えておいて悪くないと思いました。

1.26.4 ⅰ) b.
スタートから3周以内にレースが中断となり、リスタートとなった場合、車両の修復と充電は可能。
ⅱ) b.
スタートから3周は走行したが4周に至らずに中断となり、リスタートとなった場合、車体の修復と充電は可能。

バッテリーがまだ長いレースに耐えられないMotoE™では決勝レースは一桁周となりそうです。その意味で4周がレースの半分との判断でのレギュレーションだと思われます。上記の1.18 20)が実際に行える状況の詳しい説明かと。

2.1.1
FIM MotoE™World Cupはワンメイク競技であり、使用される車両はEnergica Ego Corsaであり、ライダー1人に1台の車両となります。

前から分かってた当たり前のことなのですが、これが一番大きなことかと。

2.2.1
マシンのカラーリングはFIM MotoE™ World Cupの準拠に従った上で自由とする。

FIM Enel MotoE™ World Cup regulationsより
FIM Enel MotoE™ World Cup regulationsより

2.2.3
車両に装備、搭載されたパーツは交換、改造してはいけない。但し、パーツリストに記載された部品もしくは下記の例外は除く(デザイン、メーカー、サプライヤーは自由。テクニカルディレクターの承諾が必要)
ⅰ 1. ハンドルバー
2. フットペグアセンブリー
3. ブレーキマスターシリンダーレバー(ブレーキレバープロテクターの装着は必須)

ⅱ オプショナルパーツ(パーツリストに複数の選択肢を持つ部品)
1. シート、シートフォーム
2. ウインドスクリーン
3. サスペンションスプリング(フロント、リア)
4. ステアリングダンパーアッセンブリー
5. リアブレーキアッセンブリー
6. ファイナルギア

モーター、バッテリー、コントローラーについてはノータッチ。出力特性などをコントローラ上でセッティング出来ればチームごとに色が出て面白そうなのですが。部品の交換はファイナルギアのみとなり、あとはパーツのセッティングでチームごとの個性が出る感じです。

2.2.4
a) ピット内またグリッド状で使用する充電器については主催者から配給される物以外は使ってはならない。
b) 主催者はバッテリーを充電できる時間を特定する場合がある。この場合には主催者の指示した時間内でのみ充電が可能となる。
c) バッテリーのパフォーマンスが常に公平になるように主催者は提供するバッテリーをランダムに選択し、出場者に与える。
d) 以下の条件の場合チームはバッテリーの交換を申請できる。
ⅰ) バッテリーの性能に問題があることを証明する明らかな証拠があり、テクニカルディレクターが認めた場合。レースディレクションから承諾を得て交換ができる。
ⅱ)テクニカルディレクターが認めない場合でもチームが希望すればバッテリーの交換の申請ができる。
但し、バッテリーの交換を申請する場合には保証金として5,000ユーロを預けた上で、
 バッテリーに問題がなければそのまま同じバッテリーを使用しなければならない(保証金は変換されない)。
 バッテリーに問題があった場合には新たなバッテリーが与えられ、保証金も返還される。

充電器の指定はバッテリーの保護や、不要な事故などを防ぐために重要です。充電をする時間を指定するのはレース中だと思うのですが、気温や状況などにも関係するのでしょうか?
バッテリーの交換についてはチームにとっては権利として与えられて当然となるのですが、問題があると判断する能力も求められるということなので、チームにバッテリーに詳しい技術者と設備が必要になりますね。

2.2.5
レース毎に使えるリアスプロケットのリストはシーズンが始まる前にテクニカルディレクターより発表されます。リアスプロケットの選択肢は最低で3種類となりそれ以外の選択肢はテクニカルディレクターからの発表がない限り使うことはできません。

3種類が近い3種類なのか、遠い3種類か気になるところですが。ワンメイク車両だとスプロケットの選択で最高速が大きく変わるのでストレートで勝負化、コーナーで勝負か、チームの戦略が見えて楽しそうです。

2.2.6
以下の油脂類のみ補充、交換が可能。
a) 電気モーター:ATF Dexron Ⅵ(6) モーター潤滑及び冷却用として。グレードが合っていればブランドは不問。
b) 電気部品:電気部品の冷却には蒸留水のみの使用が可能。
c) サスペンション:サスペンションオイルは車両提供時に同時に渡される物以外は使用不可能。

エンジンオイルが無いだけにスポンサーも取りづらい電動モーター。オイルについては規格のみの指定なので今後モーター用オイルのスポンサーなどが出てくるのでしょうか。冷却に蒸留水以外に何が使えるのは勉強不足なので分かりませんが、モーターとバッテリーの冷却が性能に大きく影響するのでまずは公平性を保つためなのかと憶測です。サスペンションオイルも指定となってます。

2.3.1
マシンの調整は下記のセッティングのみが可能となる。
Ⅰ) 2.2.5に記載のある通り、ファイナルギアの交換。
Ⅱ) フロントとリアの車高調整。
Ⅲ) 2.2.3に記載のある通り、フロントとリアのサスペンションスプリングの交換。
Ⅳ) フロントとリアのサスペンションスプリングのプリロードの調整。
Ⅴ) フロントとリアのサスペンション及びステアリングダンパーのダンピングを外付けのダイヤルで調整。
Ⅵ) フロントサスペンションの油量の調整。

最高速、出力の特性の調整に加えて、足回りの調整が可能となっています。今年のMotoE™ではこの調整でチームごとのマシンの個性が決まりそうです。

2.3.2
主催者及びテクニカルディレクターによる強制的なセッティング。
Ⅰ) 2.2.5に記載のある通りファイナルギアの調整。
Ⅱ) データロガーシステムのプログラミング、ログデータの提供。
Ⅲ) 駆動系を制御するソフトウェアのアップデートなど

こちらは主催者の持つマシンへの影響力ですが、どのマシンも共通となるのでレースの勝敗には関係はなさそうです。それよりもこの集められたデーターがマシン開発に大きく影響します。マシンを提供するEnergicaにとってはこのデータがすべての宝になるでしょう。今後、電動バイクでのレースが普及した場合にMotoE™で集められたデータを持つEnergicaが他を圧倒するのは容易に想像できます。

2.4.1
車両の最低重量は260kgでなければならない。

MotoGP™のマシンの最低重量が157kgとなっているので100kgも違うのですが、バッテリーがどうしても重くなるのでしょうがありません。ワンメイクなのでマシンの差もなく、単純にライダーの腕と体重と乗り方で優越がつくのでここはまだ目をつぶるしか無い数値です。公式テストでライダー達からブレーキングと小回りでの旋回に不満が出ているのもこのせいでしょう。

2.5.1
ボディについては提供された車両の状態と同じでなくてはならない。

カウルなどですが、形状を変えることはできないのでこちらもイコールコンディションになります。

2.5.2
ボディにはいかなる素材も加えてはならない。ボディでライダーの身体の邪魔になる部分があれば、テクニカルディレクターの承諾を得てボデイの一部を削る、ドリル、切断することが出来る。

外装関係も必要である以外は手を加えてはいけないのですべての車両が基本的には同じ空気抵抗で走ることになります。

2.6.1
すべての車両は装備されている以外に2セットのスペアホイールが付属する。

2.7.1
FIM MotoE™ World Cupのタイヤは決められた唯一のサプライヤーの公式タイヤのみ使用することが出来る。テストでも同様となる。

今年はMichelin(ミシュラン)が公式サプライヤーとなっています。重量もジオメトリーも、出力特性も違う電動バイクでの極限の走りがどのような影響をタイヤに与えるのか。Energicaと同じくMichelinも貴重なデータをこのシリーズで蓄えることができます。

2.7.5
タイヤ供給量は以下の通りとなる。(タイヤサプライヤーと主催者、テクニカルディレクターの合意で変更する場合がある)

スリックタイヤ
フロント 4本(スペックは同じ)
リア 5本(スペックは同じ)

レインタイヤ
フロント 3本(スペックは同じ)
リア 4本(スペックは同じ)

タイヤの種類の選択はなさそうですね。与えられた同じスペックのタイヤでの走行となります。電動によることでどのように消耗に変化が起こるのか。消耗の仕方で決勝レースでの走りも変わるのでここも気になるところですね。

2.13.2
車両に触れて作業をする者はすべてEnergicaによるメカニックトレーニングプログラムとE-Safetyトレーニングプログラムを受講しなければならない。

エンジンと違って高圧電流が流れる電動バイクだけに間違えれば人体に大きな影響を与えてしまいます。ガソリンとは全く違うエネルギーなので非常に重要な項目だと思います。逆にこれを持っていればMotoE™もしくは電動バイクレースのメカニックへの道は近いかも!

FIM Enel MotoE™ World Cup regulationsより

上の画像はEnergicaのマニュアルから引用しているように見えます。
DC充電はプラグを繋ぐだけで始まるようです。これは市販車と同じなのかな?
因みにコネクターはCCS形状ですね涙

ウェブから観戦!

以上が今年からいよいよ開催される電動バイクの商業レース ” FIM Enel MotoE™ World Cup ”のレギューレーションから電動に関わる部分と気になった部分を抜粋した情報でした。

思った以上に労力を使う作業でしたが、これを知りながら見るのと知らずに見るのでは楽しみ方が大きく変わると思いますので、皆さんの電動レース観戦のお役立てれば。

気になるスケジュールは

7月5日(金)現地時間(日本時間)
11時50分(18時50分): MotoE™ワールドカップ/フリー走行1
16時50分(23時50分): MotoE™ワールドカップ/フリー走行2

7月6日(土)
16時00分(23時00分): MotoE™ワールドカップ/E-Pole(公式予選)

7月7日(日)
10時00分(17時00分): MotoE™ワールドカップ/決勝レース

となっています。日テレジータスでは生放送でMotoGP™が見れますが、日曜日の放送開始は17時45分からなのでMotoE™は見れなそうですね。

MotoE™をライブで見るには公式サイトでのパス購入からのみとなりそうです。ドイツGPのみの観戦であれば1200円程度で練習走行からすべて見れるのでその価値はありです。またMotoGP™もすべて見れるので年間登録しても魅力的な値段です。

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