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アメリカでキックスクーター体験

アメリカ全土にサービスの広がるキックスクーター・シェアリング。カリフォルニア滞在時に体験してみました。

Lime社モデル。家の前とかお店の前とか色々なところに乗り捨てられている。

すごいことになっている!

San Jose(サンホゼなのかサンノゼなのか?)の空港を出てからバスで宿の近くまで移動し、そこから歩いていると、交差点の角や歩道の上、建物の前などにキックスクーターが停められています。

多くは白と緑のLime社のキックスクーターで、次が真っ黒のBird社のキックスクーター達。いや、本当に驚くほどそこらじゅうに停まって(たまに倒れて)います。

Bird社モデル

ここまで目につくと気になってしょうがありません。でもバイク乗りからすると中途半端なような気がして、、

宿について大家さん(今回はAirBnBを利用)と話して近所の情報などを聞いていると、彼女からもキックスクーターを勧められる。

”簡単に借りれるし、どこでも行けるし、うちに泊まる多くの旅行者も喜んで使っているわよ”

なんて言われて。物は試しかなと思っていました。

乗ってみる?観光がてら?

でも乗り方(操縦というよりも運転マナー)が分からなくて、走っている人を見るまではやめておこうと思っていました。どうやらバイクレーン(自転車専有道路)を走って良いらしいのですが。

San Joseに着いた日は近場を歩いてコンビニやごはん処を確認して終わり。と、時間を見るとまだ17時。日はまだまだ高いし、時間もあるし時差ボケを正すべく、思い切って遠出をして食べたかったソウルフードの店へ向かうことに。

距離にして3キロなのでそこまで遠くないのですが、カリフォルニアの太陽と北カリフォルニアを襲っていた熱波の影響で歩くのはなかなかの苦行に。幸い湿度はそこまで高くないのと、たまに吹く風が気持ちよくて目的地までなんとかたどり着くことが出来ました。

カリフォルニアといえばここ!

途中キックスクーターで走る人に出くわし、走り方を見ていましたがバイクレーンのないところで車道を走りながら腕を左に出して航続の車に左折を合図を出し、STOP(一時停止)をそのまま通過して曲がっていきました。また別の人はバイクレーンから反対側の車線にUターンして、更に歩道に乗り上げて進んでいきました。(もちろん後方と左右確認して他に車がいないことを確認していました)

ん?結構やりたい放題なのか?周りの車も文句を言っている感じがしないし(ホーンならしてない)、そんなもの?自分ルールで周りに迷惑かけないで安全に走ってればいいの?

なんて、思えてきて。すこしハードルが下がりました。

日本に参入しそうだったのはどうなったのかな?

まずは腹ごしらえ。20年以上前の思い出に浸りながら懐かしい味を。あ、アニマルスタイルするの忘れた!玉ねぎ辛い!

食べ終わりも近づいて、帰りも歩くか〜、と思っていると、目の前をピューッとキックスクーターで通り過ぎていく人が。

あ、そうだ、キックスクーター。帰りは試してみようかなと。せっかく現地にいるし、帰りも歩くのは疲れたし、周りに迷惑かけなければ大丈夫そうだし、、、

かんたん登録!

さっそくLimeのアプリをダウンロードして、使い方を見て、目の前に停められたキックスクーターのQRコードをスキャン!

公式使い方ビデオ

”免許証を確認するので携帯の画面に免許証の表を表示してください”

、、、。なに!?免許証がいるのか!!!

借りる体で借りられないという初心者丸出しの恥ずかしさをごまかしながら近くのベンチに移動。

国際免許は持っているけど現地のバーコードみたいなのついてないし、使えないのか?なんて、スマホで調べていると、どうやらLimeはアメリカの免許所持が前提。国際免許についての記述がなくLimeのライバルのBirdだと国際免許についても対応と書かれている。免許提示の画面で国際免許を提示すれば情報が一旦本部に送られ、確認が取れたらアプリでレンタルが可能になると。

と、いうことで今度はBirdのアプリを入れて再度挑戦。Limeの車体は近くにあったのですが、Birdは見当たらず、アプリ上で近くの車体を探して移動。

そこら中にあります

無事に使えるのかドキドキしながら今度はBirdのキックスクーターのQRをスキャンして、、、

ピーン(みたいな音だったはず)となってから車体のLEDが緑になり。多分、起動。これで現地の人みたいにスマートに行くぜ!と意気込むも、、、

ハンドルにあるアクセルを押すも進まない。帰宅の渋滞時で周りには車だらけ、その中をまたも使い方が分からない人全開。恥ずかしい。。

と、全身で困っていると窓を開けた車の中からおじさんが一声

”最初に自分でキックしないと進まないよ〜!”

おお!アメリカ優しい。

言われるようにスルーっと走り出すようにキックして両足を乗せてからアクセルを押すと、スワ〜ンと走り出しました。

ちょと速くてびびったけどすぐにブレーキして停車。

車のおじさんに振り返って

” Thanks! “

ガッツポーズで返してくれました。

思ったより速いし、快適、気持ちいい〜

無事に走り出して、ブレーキも確認して、いざ出発!

最高速度は時速20kmなのでなかなか速いです。ブレーキも効くので不安もなし。

大通りにはバイクレーン(自転車用道路)があるのでそこをツイーっと軽快に走ります。

信号待ちで。

キックボードの上に立つと身長が20センチぐらい高くなるので普段よりも視野が高く、面白い。

スピードも自転車並みに出るのでバイクレーンで混雑することもなく、スイスイと宿に向かって進みます。

注意点は途中の段差や轍などに簡単にハンドルを持っていかれるので下をよく見ていないと転びそうになります。

あれ?故障?バッテリー切れ?

乗り方も慣れて、マナーみたいなのも掴んできてダウンタウンを気持ちよーく、走っていると

”ピーピー”

と、電子音。一回目は無視したけど繰り返し鳴るし、明らかに自分が乗ってるキックスクーターからなので一旦停止。

そこからまた走り出せるけど勢い弱く、また”ピーピー”と。

故障?とも思いましたがLEDランプは緑。バッテリー切れ?とも思いましたがやっぱりLEDは緑なので車体に問題はなさそう。

もしかして航続距離切れ??でもまだ少ししか走ってないのに。。

とりあえず停止してアプリを起動して残高を確認すると、、

残高18セント(約20円)!!!

今回、アプリをダウンロードしてからキックスクーターに乗る前に先払いを選択。最低額の$5(約525円)分を入金しておいたのですが、どうやらそれが尽きてしまったようです。

アプリは日本語対応していました。

距離にして1.3km、時間にして9分。これで500円近くするとなると、かなり割高な気分。

実際にもっと大きい金額を前払いすればボーナスがつくのですが、これ、普通にクレジットカード選択して計算しないで乗ってたらすごい金額になってたのでは?

一回乗るごとに$1が車体のアンロック費用としてかかるので9分で$3.42とすると1分の乗車で38セントとなります。

うーん、高いな。が正直な感想です。1.3キロの移動に500円は日本のタクシー以上だし、こちらでもUberを使えばそれ以下か同等で動けます。

調べるとこのサービスが始まった当初は1分15セントだったようで、今回の私の利用に当てはめると

アンロック$1+15セントx 9分= $2.35(約250円)

であればまあ納得かなと。急ぎの移動や、より便利な乗り換えができる駅への移動などに使えば価値のある価格です。

問題が多くなり、反発も大きくなっている

キックスクーター・シェアリング、どうやらアメリカ国内では値段以上にそのサービス自体に賛否両論で、規制が新たに作られたり、運営会社への負担が増えているようです。

運行の危険:はっきりとした法規がなく、ヘルメットの着用の義務や歩道の走行禁止への啓蒙と罰則が機能していない。実際に私が見ていても走行ルールは運転者のマナーに準ずる部分が多く、ヘルメットをかぶっている人は皆無。一時停止無視や、信号無視も見受けれた。結果、歩行者や自転車、自動車との共存が難しくなり、州によってはすでに禁止されているところもある。

停車の迷惑:どこにでも乗り捨てが出来るのが便利なのですが、置いた後のことを考える必要がないために他者への配慮にかけた乗り捨てが多い。歩道の真ん中に停車したままで車椅子での通行ができなくなったり、倒れてしまって歩道を塞いでいたり、個人の家の敷地内に乗り捨ててしまい運営側と住民とのトラブルになるなど。

現地の人の話でも、これらの業者は行政への許可申請を行わずに法規上の抜け穴をうまく使って運営しているようで、大きな責任を追わずにビジネスとして進めて来ているようです。

行政からの許可を取得済み企業も登場

色々と問題も多いキックスクーター・シェアリングですが、生き残るために真っ当な道を進む業者も出てきているようです。Uberのライバルで業績が伸び続けているLyftはSan Jose市初公認のキックスクーター・シェアリング業者となったようです。

lyft公式サイトより

料金もアンロックに$1、その後は1分につき15セントと今回私が利用したBirdの半額以下。更に、市内の低所得者たちに月$5で乗り放題(1回30分まで)のパスを発行するなど、地域への貢献も提供します。

今年の6月には許可が降りて、900台の車両が市内に設置されたようです。残念ながら今回の滞在でLyftのキックスクーターには会えなかったのですが、行政との協力はとても重要な要素だと思います。

それでもまだまだ戦国時代

社会からの反発や行政からの規制など障害も多いキックスクーター・シェアリングですが、まだまだビジネスとしての旨味も大きいらしく、激しい競争が起こっています。実際、私の帰国日にも新たな業者がSan joseに進出していました。

車体はSegwayのモデルが多く、車体価格はどうやら1台$100~$300(約1~3万円)。1回の乗車で$3~5(約315~525円)。1日に2回の利用があれば1ヶ月で車両のコストを回収。人件費は車両の回収人員のみなのでトラック1台と2人。充電の電気代も大したことはないと思います(自社にソーラーパネルつければ更に安く)。

つまり、数百台規模で運営すれば1日辺り1台につき$1の利益でも月に1~2万ドル(約100~200万円)の利益になります。これを多都市に展開しても小規模で運営できるので薄利が大きな利益となります。

自動移動モデルも!

電動キックスクーター製造の大手、中国のSegwayが自動運転モデルを発表。この機能が活かせれば現状の問題の解決、更にはコストの削減にもなり、キックスクーターのビジネスとしての価値は上がりそうです。

Segwat T60

映像を見ると自動で移動していますが、遠隔のカメラでも操作が出来るようです。この機能がうまく活かせると、迷惑駐車となっている車両の移動や、充電のための移動が自動もしくは遠隔で行えるようになり、運営のコストを更に落とすことができます。

これがキックスクーター・シェアリングの未来になるのかはまだ分かりませんが、便利であるのは確か。こうして一つ一つの問題を解決して向上していけば運営側のトラブルと責任は軽減していくでしょう。あとはユーザーのマナーが大きく左右すると思われます。

日本では?

東京では、多分、無理かなぁ。歩道も狭いし、車道も狭いし、自転車ですらマナーがなっていないし、、、京都や奈良の観光地でなら海外からの人にも重宝されると思いますが、また同じ問題で、歩道、車道、マナーと、、、逆に海外からの旅行者に人気で人口の密集していない観光地や軽井沢や北海道のような避暑地で展開したらその周りの地域にも旅行者が出向くから地域の経済には貢献できるのかな?なんて思いました。


参考記事

https://hypebeast.com/2019/8/ninebot-segway-kickscooter-t60-self-driving-technology-news


https://www.reuters.com/article/us-scooters-ninebot/chinas-ninebot-unveils-scooters-that-drive-themselves-to-charging-stations-idUSKCN1V60LJ

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